
(このページは2020.11.25に更新されました)

「タクシー運転手の仕事が気になっているけど、やってて良いことあるのかな?」
「転職を決める前に、タクシーに転職するメリットとデメリットが知りたい」
目次
この記事の信頼性

この記事を書いているわたしは、タクシーに転職して5年目の現役ドライバーです。タクシーに転職する前は、アパレルの販売員をやっていました。
わたしはこれまでに6回の転職経験があります。
この記事では、げんざいタクシードライバーとして働いているわたしが、これまで経験してきた様々な業種とくらべて感じている、タクシーに転職するメリットとデメリットについて解説しています。
タクシーに転職するメリット

- 地理やお店に詳しくなれる
- お客さまからチップをもらえる
- 人間関係の悩みから解放された
- タクシードライバーは評価基準が明確
地理やお店に詳しくなれる
地理やお店に詳しくなれるのは、一日中街を走り続けているタクシー運転手ならではの特権ですね。
タクシードライバーは、様々なお客様を目的地へご案内する仕事。
タクシーをご利用されるお客様は、普段からよくタクシーを利用されているから、少しでも安く早く目的地へ行くために、目的地への最短・最安経路をよく知っていておられることが多いです。
ベテランのタクシードライバーになるほど、お客様を数多くお乗せした経験から、様々なルートを集積しているんですね。
幹線道路はもちろん、裏道や道の路流れの速さまでを熟知しています。
このような地理の知識はタクシー運転手を続けていく上で財産になりますし、プライベートで遊びに行くときにも、目的地へスムーズに早く着けるため時間節約にもなるのです。
その他にも、タクシー運転手をやっていると自然と飲食店などのお店にも詳しくなれますよ。
ご自宅からお店へお客様をご案内したり、お店からの注文でお客様をご自宅へお送りする仕事も多く入ります。
評判のお店や有名店などをタクシー運転手が良く知っているのはそのためです。
私も乗務中に絶えず行列ができているお店はチェックしています。
とくに私はラーメンが好きなので、休日は気になるラーメン店に行くのが楽しみ。
そのような情報を持っていると、観光で乗ってこられるお客様におススメのお店を聞かれたとき役に立ちます。
お客さまからチップをもらえる
タクシー運転手をやっているとお客様からチップを貰えることがありますね。
チップを貰える職業というのは日本では数少ないでしょう。
お客様から、「運転手さんと話して楽しかったよ」や、「親切にしてくれてありがとう」と言われ、チップを頂けたときは、この仕事やってて良かったと思います!
一回のチップで頂ける金額は100円から500円くらいが多いです。
例えば、一日の営業で500円のチップを頂けたとして、チップを頂けた日が一カ月で15日あった場合、月で7500円、一年に換算すると90000円にもなります。
わたしはチップがある程度貯めて、一年に一回温泉旅行に行けたり、普段は行けないような少しだけ高級な飲食店に行くことができて、仕事の大きな励みなっています。
人間関係の悩みから解放された
退職理由のランキングでなんとトップ3内に「上司との関係」や「同僚との関係」がランクイン。
人間関係に対する不満が2つもランクインしていますよね。
給料や地位、労働時間に対する不満よりも、人間関係に関する不満が多いのが実情。
タクシー運転手は一旦車庫を出れば、お客様を乗せている時以外の時間は、ほとんどひとりです。
基本てきに空車のときは、会社の規則や法に触れなければ自由に過ごすことができます。
もちろん自由に過ごせるとはいっても休憩ばかりをしていると営業収入が下がり給料は減ってしまいますが、休憩や食事などは取りたいときに自由にとることができますね。
上司の目を気にしたり、同僚に気を遣うこともなく、そういう面では大変気楽と言えます。
もしも今別の職種で人間関係で悩んでいる方には、タクシー運転手はおススメできる職業です。
タクシードライバーは評価基準が明確
いぜん私がアパレル販売員をやっていたころは、評価基準が不明確でした。
上司の主観によって評価が左右されるため、上司が異動で変わるたびに、わたしの評価が変わたり、相性が悪い上司のときには評価を下げられたこともあります。
しかしタクシードライバーになってからは、評価基準が明確であるため、上司との相性もほとんど関係ありません。
タクシードライバーに転職してからは、アパレル時代に抱えていた上司との関係によるストレスから解放されたわけです。
タクシードライバーに対する評価基準は、次のようなものが多いでしょう。
- 事故の件数
- 苦情の件数
- 売上げ
- 出勤率
売上げが評価の対象になるかどうかについては、タクシー会社によって差があると思います。
ここで挙げた評価基準は、基本的には真面目に普通に仕事を続けていれば、会社からの評価は高まり信用をえることができます。
わたしは、タクシードライバーになって4年目で黒タクと呼ばれるハイクラスタクシーに乗っていますが、真面目にコツコツやってきただけですね。
プライベートの予定がたてやすい
タクシードライバーは、予定がある日に合わせて休日や有給などを入れ込むことができて、プライベートの予定がたてやすい職業です。
例えばホテルで働いている方は、他の人との兼ね合いでシフト制で勤務管理されていますよね。
シフト制だと、他の人のシフトとの兼ね合いでどうしてもこの日は人が少ないから有給が取りにくいなどといったことが。
タクシー運転手は基本このような縛りがなく、シフトにはなっていても他の営業社員との兼ね合いがなく、割と自由に休み希望も出すことが出来ます。
実際に私の会社の社員は、宅の母の通院で休む必要があるときや、連休をとって家族旅行へ行くときに、休みの希望を気軽に出しています。
また、休んだ代わりに別の日に出勤して、出勤日を減らさないようにすることもできますね。
勤務時間についても、出勤時間が何時というように決まっておらず、ある程度の範囲内で自分が好きな時間に出勤することができます。
帰ってくる時間も、自分が満足できる営業収入が上がれば帰ってこれますし、法定労働時間内でしたら長めに働くこともできちゃいます。
タクシーは通常1台の車を2~3人で回していくので、自分の前に乗っている人と後に乗っている人との兼ね合いで、出勤時間と退勤時間を調整する必要はありますが、他のサラリーマンのように就業時間が何時から何時というようには決まっていないので、用事がある日だから少し早めに帰ることくらいは問題ないですね。
最近の新型コロナによる自粛の影響で給料が下がり、副業を考えている方が多いと思いますが、タクシー会社では副業を認めている会社も多く、これからの時代副業ができるというメリットは大きいでしょう。
副業を認めていない会社でこれをやってしまうと、解雇理由にもなるため、事前に就業規則の確認をしておく必要はありますが。
タクシーに転職するデメリット

- 事故のリスクがある
- 職業病のリスクがある
- 給料が固定されていない
- 社会的な地位が低い
事故のリスクがある
タクシー運転手と聞いて、まずこのことを連想される方は多いのではないでしょうか?
タクシーは通常一日の勤務で150㎞~250㎞は走ります。
勤務区分や勤務時間によって異なりますが、だいたいこの範囲の距離を走りますね。
仮に一日150㎞の距離を一カ月に22日間走ったとすると、一年で39600㎞の距離を走ることに。
これは地球一周分の距離が約40000㎞と言われており、この地球一周分の距離に相当します。
タクシーは一年で地球一周分の距離を走るということを考えると、事故のリスクは当然あると言えるのではないでしょうか。
しかし、安全運転への高い意識や、安全確認の徹底を継続することでこのリスクを抑えることはできます。
私は現時点で2年間事故を起こしていませんし、追突などのもらい事故にもあっていません。
なので、事故のリスクは他の職業と比べると、年間走行距離が多いことかああるが、本人の心がけや技術によってリスクを減らすことはできます。
職業病のリスクがある
タクシー運転手がなり易い体の不調としては、腰痛、肥満、動脈硬化になりやすいと思います。
これらの不調については、私が実際になっていたり、同じ営業所の仲間達がなっているもので、統計に基づいたものではありません。
腰痛については、タクシー運転手は長時間運転する為、同じ姿勢を続けることになり、このことが原因で腰痛になります。
私の周りにも椎間板ヘルニアになって、手術を受けた人も何人かいます。
私自身以前にギックリ腰をやったことはありますが、信頼する骨接ぎの先生に診察を受けて現在はほとんど生活に支障がないようにまでは治りました。
肥満については、タクシードライバーはこれまた長時間運転する仕事の為、運動不足や筋力低下から太りやすい職業だと言えるでしょう。
おまけに好きな時に休憩でき、空いた時間にコンビニで食べ物を買って食べることもできます。
私はタクシー運転手になったばかりの頃、最初の半年くらいで体重が5㎏増えました。
本人の体質によって違いはありますが、対策をしないと肥満になるリスクがあります。
動脈硬化については、私の周りで何人か入院した人や退職をした人がいた為書かせて頂きました。
これに関しては具体的な因果関係はわかりかねますが、食事環境が大きいのではないかと思います。
その他喫煙は、動脈硬化の原因の一つであり促進要因なので、タバコを吸っている方は動脈硬化になるリスクが高くなりますね。
給料が固定されていない
タクシー運転手の給料体系は、歩合制が基本となっており、完全歩合制の会社と、基本給+歩合制の会社が主流です。
これまでタクシードライバーを続けてきた中で日によっては営業収入の上がり下がりはあります。
月別、年別となるにしたがい、そこまでの変動はありませんでした。
月によって、例えば12月は忘年会シーズンで忙しい月は営業収入が上がり、逆に1月~3月くらいにかけては閑散期で営業収入が下がるといった、売上の波はありますが、年間単位ではそこまで大きく変動することはありません。
このように以前は歩合制でありながらも、ある程度収入が安定していました。
しかし今は新型コロナの影響でかつての4割程度収入が下がっているのが現状です。
新型コロナ収束後も不況が予想されていますが、タクシー業界全てがなくなることはないと思いますが新型コロナ前に稼げていた収入に戻るにはある程度時間がかかるのではと考えています。
社会的な地位が低い
社会的な地位については、人によってその捉えかたに差があると思いますが、一般的に言って決して高くはないと感じています。
私はこのタクシー運転手の仕事をこれまで4年間続けているなかで、お客様に「まだ若そうなのに、どうしてタクシーを選んだの」というようなことをよく言われました。
世間の一般的な認識として、タクシーは定年を迎えた老後にする仕事だったり、会社をリストラされて他にできることがなく仕方なくタクシー運転手になったというようなイメージは強いのではないでしょうか。
しかし私はタクシー運転手には、運転が好きで、これまでアパレル業で培ってきた接客のスキルを活かすことができ、尚且つ完全歩合制で成果に応じて給料が貰えるというところに魅力を感じて転職しました。
また、私が所属する会社では私を含め20代から40代の営業社員が多数在籍しています。
タクシー会社によって違いはありますが、新卒を含め若い世代を積極的に採用して、社員教育にも力を注いでいる会社もあります。
ですからタクシー業界は、これから若い人材に対してしっかりと教育を行っていくことで、タクシードライバーというひとつの職業として認知されていくのではないかと感じています。
まとめ

以上がタクシー運転手を実際にやっている私が考えるタクシーに転職するメリットとデメリットです。
ここに挙げたメリットとデメリットについては、わたしがタクシードライバーとして働いてきた5年間の中で感じてきたことです。
これからタクシーに転職をお考えのかたは、この記事で挙げたメリットとデメリットを参考にして頂いて、転職を決めて頂けたらと思います。
もしもこの記事をここまで読んで、タクシーへの転職に興味を持って頂いたかたは、こちらの記事でタクシーに転職する方法を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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