
(このページは、2020.10.24に公開されました。)

「タクシーに転職を考えているけど、いろんな人が乗ってきそうで大変そうだな…」
「タクシー運転手に向いている人ってどんな人なのかな?」
目次
この記事を読むと分かること
タクシー運転手の仕事のきついところが分かる。
タクシー運転手は、実際にどうやって仕事のきついところを乗り越えているかが分かる。
この記事の信頼性

この記事を書いているわたしは、タクシー運転手として4年半勤務しています。これまでの4年半の間に、お客さまとのトラブルや、事故の対応などさまざまなことを経験してきています。
この記事では、実際にわたしがどうやって、乗務中に起こるさまざまなトラブルを乗り越えてきたかを解説しています。
タクシー運転手のここがきつい

わたしがタクシー運転手になってこれまでの4年半でずっとタクシー運転手できついと感じていることは次のとおりです。
これからそれぞれの具体的な説明と、それをどうやって乗り越えているかを実例を挙げながら説明していきます。
給料が安定しないのがきつい
タクシー運転手の給料が安定しないのは、タクシー運転手は給料体系が歩合制が基本となっているからです。
最近ではタクシー運転手もアルバイト雇用があり時給制で働いている人もいますが、ほとんどのタクシー運転者は歩合制で働いています。
歩合制というのは、売上に応じて給料がもらえるので、売上が良ければたくさん給料が入りますし、逆に売り上げが少なければ、給料も少なくなってしまうでしょう。
タクシー運転手の給料制度や歩合制については、別のページで説明しているので、もっと詳しく知りたい人はこちらからご覧いただけます。
わたしは名古屋でタクシー運転手をやっていますが、名古屋もコロナの影響で4・5月は収入が通常の4割くらいに減ってしまいました。
6月からは外出自粛が解除されたため、お客さまも徐々に戻り収入も2割減くらいまでは戻っています。
タクシー運転手の仕事は、景気の影響や社会の動きなどさまざまなものに影響を受け、歩合制のため給料が安定しない職業と言えるでしょう。
いぜん私がお乗せしたお客さまがこんなことを言われていました。
「タクシー運転手は、景気が良いときの影響を受けるのはいちばん遅くて、景気が悪くなるといちばん早く影響を受けるんだよね」
タクシー運転手が給料を安定させるためには?
結論から言うと、歩合制であるため、完全な安定をえることはできません。
ですが、不景気や社会の動きなどに対して柔軟に営業法を変えることができれば、給料が下がるのを最小限におさえることができます。
その為に必要なことはを大まかに挙げると次のとおりですね。
- 客単価ではなく営業回数にこだわる
- 不景気を言い訳にして売り上げを諦めない
現在コロナの影響で、外出自粛や不景気が始まっていることでタクシー運転手も売り上げに苦戦している方が多いと思います。
コロナに負けない営業法については、別のページで詳しく解説していますので、興味があるかたは、こちらからご覧ください。
勤務時間が長いのがつらい
タクシー運転手の勤務時間は、一般的なサラリーマンと比べて長いと思います。
昼勤、夜勤、昼夜勤といった勤務体系では、一回の営業時間が11~12時間程度です。
隔日勤務に至っては一回の営業時間が20時間にもなってしまいます。
わたしは昼夜勤で働いていますが、朝の6時半くらいに出社して、7時の点呼を受けてから11時間くらい営業すると、会社に戻ってくるのが18時になり、そこから洗車を30分くらい行い納金をすると、帰れるのは19時くらいになってしまいます。
営業時間が11時間だとしても、その前には始業点検と点呼で約30分、営業後の洗車と納金で約1時間がかかるため、実際の勤務時間は12時間半になってしまうのですね。
勤務時間が長いとつらいことは次のとおりです。
- 体調管理が大変
- 腰痛になりやすい
- 時間が長いこと自体がつらい
では、これから実際に私がどうやってこのようなつらさを乗り越えているかを説明していきますね。
時間の長さによるつらさは、このように乗り越えています
タクシー運転手にとって営業時間は、売り上げを上げていくためにはどうしても必要不可欠になってきます。
正直に言って、昼勤で25000円くらいの売り上げを上げようと思うと、11~12時間の営業時間が必要です。
たまたま大当たりのお客さまに巡り合えて、もの凄く単価が高いお客さまに巡り合えればこれはまた別の話になりますが、そんなラッキーはめったにありませんよね。
わたしはタクシー運転手を約4年半やっているので、この時間の長さにはある程度慣れてはいますが、「タクシーは勤務時間が長いなぁ」、「早く帰りたいなぁ…」と思うことは今でも良くあります。
勤務時間が長いと、睡眠時間が減り体調管理が難しくなります。
わたしは昼勤のときは11~12時間営業していますが、睡眠時間については6~7時間くらい確保できています。
人によって違いはあると思いますが、わたしは7時間寝ることができれば、翌日に支障はありません。
タクシー運転手にとって、睡眠時間の確保は何より大切なことでしょう。
睡眠時間を確保するために、出勤日にはなるべく予定を入れないようにして、帰ったら入浴と食事、その後のお酒を飲みながらのYouTubeを観るだけで、でできるだけ体を休めるようにしていますよ。
家族との用事や、ブログを更新することなどは、できるだけ休日に行うようにしています。
次に腰痛についてですが、タクシー運転手は長時間運転しているため、腰痛になるリスクはどうしても高くなってしまいます。
実際に私もタクシー運転手になって1年くらいでギックリ腰になっていますし、わたしと同じ営業所でも腰痛を患っている人が沢山いますね。
わたしが腰痛対策として私が行っていることは、次のとおりです。
- 2時間ごとに車を降りて腰を伸ばすようにしている
- 座席にに高反発クッションを敷く
- サポーターを腰に巻く
これらをやっていても調子が悪いときには、整骨院でみてもらうようにしていますね。
最後に勤務時間が長いこと自体がつらいことへの対策を説明しますね。
結論から言うと、営業時間中のメリハリをつけることとが大切。
わたしは、昼勤では8時~13時の忙しい時間帯にはなるべく休憩は必要最小限にしています。
どうしても疲れたときや眠いときには無理をせず休憩はとりますが、それ以外はトイレ休憩のみです。
トイレ休憩をすれば同時に腰を伸ばせるため腰痛対策にもなりますよ。
タクシーの仕事は忙しさに波があり、忙しい時間に長い休憩をとってしまうと、不思議とその忙しい波が止まってしまうことがよくあります。
忙しいと時間はアッと言う間に過ぎてしまいますね。
そして13時~16時くらいの間はヒマな時間帯になるので、この間に昼食や仮眠をふくめた休憩時間を30~40分とっています。
タクシー運転手は勤務時間が長いため、仮眠をとることも大切。
わたしは10分くらい仮眠を昼食後にとっていますが、仮眠をとると疲労感がなくなり精神的な負担もかなり和らいでいると感じています。
お客さまとのトラブルがきつい
わたしがタクシー運転手になりこれまでの4年半のなかで、お客さまとのトラブルになり易いと感じている場合は、夜勤中に泥酔したお客さまをお乗せしたときです。
酔って乗ってきたお客さまがご案内中に車内で寝てしまったということは、これまでに何度も経験していますが、泥酔するよりもっと大きいトラブルも何度か経験しています。
泥酔客に暴言を吐かれた、脅迫された、イスを蹴られたといった内容は新聞やネットニュースに載ることがたまにあると思いますが、私が経験したのもこの類ですね。
泥酔客とのトラブルが起きたときの対処法
タクシー運転手はお客さまを選ぶことができず、とくに夜勤では、泥酔したお客さまが乗られるということも避けられません。
泥酔したお客さまが乗ってこられても、対応しだいです。
まずは、きちんとした接客応対を普段通り行うことで、トラブルが起きることはほとんどありません。
ですが、ごくまれにですが、このようにきちんと応対をしていてもトラブルになってしまう泥酔客は存在します。
わたしが実際に経験したのは、乗ってくるなり「金は払わんぞ~!」などと暴言を繰り返されたことが…。
このような泥酔客への対応で必要なことは、次のとおり。
- 冷静に対応する
- 相手が言うことに反応してカッとならない
- 手に負えないと思ったら、営業所と警察へ連絡する
- 身の危険を感じたら、お金や貴重品とタクシーのカギをもって車外へ避難する
事故を起こすときつい
タクシー運転手が事故を起こすときついということは、事故を起こしてしまい相手や乗客をケガをさせてしまったという精神的なダメージを受けることや、大きい事故の場合は自身の体がダメージを受けてしまうことは言うまでもありません。
この他にも、タクシー運転手が事故を起こすと、車の修理費や修理期間中はその車が稼働できなくなってしまい、会社や同僚にも迷惑をかけてしまいます。
タクシーは通常1台の車を2人くらいで交代で乗っていますが、事故をしてしまうと稼働台数が減ってしまいます。
稼働台数が減ってしまうと、他の営業社員の営業時間が削られてしまうことにつながります。
このように事故は相手方や周りの交通に被害を与えるほか、自身の会社へも多大な損害を与えるため、大きい事故の場合はボーナースからいくらかカットされることや、車庫整理などのペナルティが課せられるタクシー会社もあるでしょう。
事故を起こさないために必要なこと
わたしは現在もタクシー運転手として日々乗務していますが、この記事を書いている現在でここ2年間は事故をしていません。
事故を起こさないために必要なことは、結論から言うと事故を起こさない意識です。
わたしはタクシー運転手になる前は何度か自分の車で事故を起こしていますし、タクシー運転手になったばかりの頃に一度自損事故を起こしています。
ですが、タクシー運転手になってからは自家用車で事故は起こしていませんし、冒頭で説明したとおり、ここ2年間は乗務中タクシーで事故を起こしていません。
では、なぜ事故を起こさないようになったかと言うと、一番大きいのは、事故に対する意識が変わったことです。
前の「事故を起こすときつい」の段落で説明したとおり、タクシー運転手が事故を起こすということは、事故の相手や会社と同僚にも迷惑をかけてしまうほか、自分自身もケガを負い仕事が続けられなくなってしまうことになるかもしれません。
もちろん、運転技術や運による巡りあわせの悪さなどもあるとは思いますが、事故を起こさないという意識で、事故を起こす確率は減らすことができます。
タクシー運転手に向いているのはこんな人

わたしがタクシー運転手になってこれまでの4年半の中で、新人ドライバーを路上研修してきた中でや、自分の営業所のドライバーの方で辞めていった人も多く見てきています。
このような人達を見てきて感じている、タクシー運転者に向いている人は次のとおりです。
- 収入を上げていきたいという意欲がある人
- 最終的に前向きになれる人
- 空気が読める人
ではこれらの人がどのような人かをこれから具体的に説明していきます。
収入を上げていきたいという意欲がある人
タクシー運転手の仕事は、歩合制なので売り上げをやればやっただけ収入も増えます。
この歩合制に惹かれてタクシー運転手に転職する人は多いと思いでしょう。
収入を上げていきたいという意欲は、タクシー運転手の仕事へのモチベーションに直結します。
特に現在のようにコロナで売り上げが厳しい時期では、その中でも収入への意欲を持ち続けていないと、タクシー運転手の仕事を続けていくことは厳しいでしょう。
最終的に前向きになれる人
タクシー運転手をやっていると、売り上げが厳しい日や、お客さまとのトラブルなど落ち込んでしまう日はあると思います。
たとえ一時的に落ち込んだとしても、今日は今日で、明日は明日と気持ちを前向きに切り替えれるひとは、タクシー運転手を続けていくには必要な資質だと思います。
空気が読める人
タクシー運転手は一日の営業でたくさんのお客さまをお乗せします。
わたしも一日の営業で15~20人くらいのお客さまにご乗車して頂いています。
お客さまってほんと様々だなぁと、タクシー運転手をやっていて感じていますね。
話したい人、話しなくない人、会社へ通勤する人、買い物へ行く人、病院へ行く人など挙げればきりがありません。
わたしは、タクシー運転手になる前はアパレルの販売員をやっていました。
アパレルの販売員でも様々なお客さまの接客をしてきていますが、このときに相手の空気を読む能力が開発されていたんだなぁと、タクシー運転手になった現在感じています。
お客さまのタイプに合わせて接客応対を行うことは大切ですね。
苦情に関しても、お客さまが怒りだす前にそれを察知してこちら側から謝ることができれば、ほとんど苦情が上がるまでには発展しません。
タクシー運転手として、空気が読めることは大切なことなのですね。
まとめ

以上が現役でタクシー運転手をやっている私がこれまでの4年半の間で実感している、タクシー運転手のキツイところです。
このようにタクシー運転手の仕事はキツイところがありますが、やりがいのある仕事です。
タクシーへの転職を考えているかたは、こちらの記事でタクシーに転職する方法について詳しく解説しています。よろしければ、参考にしてみて下さい。
