
「タクシーはオワコンだと言われているけど、それって本当?」
「これからタクシードライバーに転職するのはアリ?」
「タクシー業界の現状とこれからが知りたい」
この記事では、上記のようなお悩みを解決していきます。
✔️ この記事を読むと分かること
- タクシー業界は終わりなのかどうか
- これからタクシードライバーに転職するのはアリかどうか
- タクシー業界の現状とこれからの展望
✔️ 著者のプロフィール

Twitterアカウント(@shota_thanks)
この記事を書いているわたしは、タクシー歴5年の現役ドライバーです。名古屋でタクシードライバーをやっています。
この記事ではタクシー業界に身を置くわたしが、タクシー業界が終わりなのかどうかについて解説しています。
結論から言うと、直ぐにタクシー業界が終わるわけではないと、わたしは考えています。
ただし、タクシー業界はコロナ渦の現在厳しい状況にあります。
詳しくは、本文で解説しています。
すぐにタクシー業界が終わるわけではないので、3年位のスパンで転職をお考えのかたは、タクシードライバーは選択肢の一つとしてアリです。
未経験からタクシードライバーへの転職をお考えの方には、こちらの記事が参考になります。
現役ドライバーのわたしが、失敗しないための転職方法を解説
>>【成功体験】未経験からタクシードライバーに転職する方法⇒僕はこうやってなった
タクシー業界は終わり!?

冒頭でお伝えしたとおり、タクシー業界が終わるわけではないと、わたしは考えています。
ただし、新型コロナの影響で利用客が減っていることや、コロナ以前からタクシー業界が抱えている問題もあり、厳しい状況が続いています。
現在タクシー業界が抱えている問題は、次の3つです。
- 新型コロナの影響により利用客が減る
- ドライバーの高齢化と人材不足
- 将来、自動運転技術でタクシードライバーが必要なくなる

この3つのタクシー業界が抱えている問題について、これから解説していきます。
新型コロナの影響により利用客が減る
新型コロナが流行して、タクシー利用客が減りました。
特に影響が大きいのが、夜勤です。
夜の飲食店への時短営業や酒類提供を控える要請が始まってから、タクシーの夜間利用者が激減してしまいました。
コロナ禍でわたしの給料は、35万円から23万円にまで12万円減ってしまった月があります。
この記事を書いている2021年10月は緊急事態が解除されていますが、売上げはまだ戻りきってません。
わたしがタクシードライバーをやっている愛知県では、新型コロナの影響で業績が悪化し、廃業になったタクシー会社が4社あります。
新型コロナでタクシー業界は厳しい局面を迎えていますが、実はコロナ前からタクシー業界が抱える問題も…
コロナ前からタクシー業界が抱える問題について、これから解説していきます。
ドライバーの高齢化と人材不足
タクシー業界は、ドライバーの高齢化と人材不足が慢性化しています。
全国ハイヤー・タクシー連合会の調べによると、タクシードライバーの平均年齢は60歳と高いです。
平均年齢が高いことは、定年をむかえて引退するドライバーが多くなり人材不足に繋がっています。
タクシー会社は、業界を若返らせようと、積極的に若い人材を採用してはいますが、ドライバーの高齢化と人材不足はいまだに解消されていません。
自動運転技術でタクシードライバーが必要なくなる
自動運転技術が発達すると、タクシードライバーの役割をも代替すると言われています。
自動運転技術によってタクシードライバーが職を失う日が将来くるのかもしれません。
ただし、個人的にはタクシードライバーの仕事が自動運転技術に奪われるまでには、あと10年はかかるのではないかと考えています。
自動運転技術の課題
自動運転技術がタクシードライバーの仕事を代替するには、次に挙げるような課題があるからです。
- 接客
- 泥酔したお客さまへの対応
- 他の交通への配慮
- 求められる運転技術が高い

これから、この4つの課題にについて解説していきます。
✔ 接客
タクシーには、ドライバーと会話したくて乗ってこられるお客さまがいます。
最近のAIは進んでいて、会話すること自体できるようですが、機械と会話して満足できる人は少ないかと。
人は人生経験があるからこそ人間味が生まれ、温かみのある接客ができます。
タクシーに接客を求めなければ済む話ですが、接客がなくなるのは寂しいと感じる利用客は多いはず。
✔ 泥酔したお客さまへの対応
泥酔したお客さまには、タクシードライバーが対応に困ることが多いです。
タクシーが自動運転技術になったとしても、泥酔者にありがちな次の行動に対応することは難しいでしょう。
- 行き先を言えない
- 嘔吐する
- 寝てしまって起きない
- 暴行する
夜間勤務でタクシードライバーをやっている方なら、この中の1つ2つは誰でも経験があるかと。
自動運転技術がこのようなお客さまに対応することは難しいはずです。
✔ 他の交通への配慮
道路は歩行者や自転車も利用するため、タクシーは他の交通に配慮しなければなりません。
自動運転技術が他の交通に配慮することが難しい理由は2つあります。
- 人は予想できない動きをする
- 道を譲るという感覚は機械にはない
子供の飛び出しや、車の急な車線変更など、人は感情で動くことがあります。
機械には感情がなく、譲るという感覚もないため、他の交通に配慮するのは難しいです。
道路を走る車が完全に自動運技術の車だけになればこの課題はなくなりますが、そうなるのはまだまだ先の話ではないでしょうか。
✔ タクシーは求められる運転技術が高い
タクシードライバーは2種免許が必要な職業でもあり、一般のドライバーよりも求められる運転技術が高くなります。
タクシーが自動運転技術になったとしても、高い運転技術が求められるはずです。
例えば、タクシーはお客さまの自宅に予約で呼ばれるときがありますが、車を停めやすい場所に自宅があるとは限りません。
時には車幅ギリギリの狭い道を通ることも…
実際にタクシードライバーをやっていると、たまに過酷な道路条件でヒヤヒヤすることがありますが、自動運転が本当にタクシーをやれるようになるのかなぁと感じるときがあります。
ここまで挙げた課題を自動運転技術がクリアするためには、あと10年はかかるというのがわたしの結論です。
コロナ渦でタクシー業界が変わったこと

わたしがタクシードライバーをやっていて、コロナ禍のタクシー業界で変わったと感じることが3つあります。
- タクシーの良さが見直された
- タクシーアプリとの連携が加速
これからこの3つについて解説していきます。
タクシーの新たな価値が生まれた
新型コロナが流行して、タクシーの新しい価値が生まれました。
タクシーの新しい価値とは、乗客とドライバーだけの空間で移動できるため、ウィルス感染予防という面で安心して乗れることです。
実際にわたしがお乗せしたお客さまも「電車は混んでいて心配だから、タクシーを使うようになった」と何度か言われていたことがあります。
確かにタクシーは、一人で乗れますし多くても普通のタクシーなら4人まで。エアコンは外気導入で、窓を開けて換気しているタクシーがほとんど。
感染予防対策として優れた乗り物ですね。
従来は、ドアtoドアの便利さや、早く目的地に着けることがタクシーの価値でしたが、新型コロナにより"安心な移動手段"という新たな価値が生まれました。
タクシーアプリとの提携が加速
タクシー会社と大手アプリとの提携がここ1・2年で加速しています。
GO(JapanTaxi)やDiDi、Uberといった配車アプリとタクシー会社との提携はコロナ前から始まっていました。
新型コロナの影響で利用客が減り、配車アプリからの集客で売上を補填したいという狙いのもと、タクシー会社が配車アプリと提携していると考えられます。
タクシー業界の今後の展望は?

名古屋でタクシードライバーをやっているわたしが感じる、タクシー業界の今後の展望について解説していきます。
長引くコロナについて
この記事を書いている2021年10月は緊急事態宣言が解除されていますが、冬には第6波がくることを考えると、まだ安心できない状況です。
タクシーの売上げは、社内全体では緊急事態宣言が出されていた頃よりは良くはなってきていますが、コロナ前の売上げにはまだ戻っていません。
さらにコロナ禍が長引くと、余力がないタクシー会社は経営が厳しくなっていくことが予想できます。
コロナ後のタクシー業界
新型コロナが収まったとしても、タクシー業界が元に戻るには時間がかかると、わたしは考えています。
タクシードライバーは歩合制が基本の成果主義なので、稼げるドライバーはいるでしょうが、タクシードライバーの平均売上げがコロナ前に戻るには時間がかかるかと。
タクシードライバーの売上げの大部分を占めるのは、夜間お酒を飲んでタクシーを利用されるお客さまです。
コロナでダメージを受けている夜の繁華街が、かつての賑わいを取り戻すまでは、タクシーの売上げも元に戻ることはないでしょう。
タクシードライバーの平均売上が下がっている現状は、稼ぐ難易度が上がったと言い換えることもできます。
このような状況のタクシードライバーに転職するのはアリかどうかを、次の項で解説します。
※関連記事
>>「タクシー運転手はやめとけ」と言われる理由とは?現役ドライバーが解説
これからタクシードライバーに転職するのはアリ?

結論からいうと、人によってはタクシードライバーに転職するのがアリだと考えます。
タクシードライバーに転職するのがアリな人は、次のタイプの人です。
- タクシードライバーに転職して、収入が上がる可能性がある人
- 職場の人間関係から解放されたい人
- 仕事のプレッシャーに押し潰されそうになっている人
この3つのタイプの人がタクシードライバーへの転職がアリな理由を、これから解説します。
タクシードライバーに転職して、収入が上がる可能性がある人
タクシードライバーに転職するといまよりも収入が上がる可能性がある人は、タクシードライバーへの転職はアリです。
コロナでタクシーで稼ぐ難易度が上がっていることは確かですが、全く稼げなくなった訳ではありません。
転職を考えているタクシー会社の給料が、いまの給料よりも高いなら、タクシードライバーに転職して給料が増える可能性は充分にあります。
タクシードライバーの給料は歩合制が基本なので同じタクシー会社でも個人差がありますが、真面目にやっていれば平均給料は狙えるはずです。
タクシードライバーの給料を調べるには、タクシー転職サイトの「転職道」が便利ですね。
無料で利用できます。
まずは求人からタクシードライバーの給料を調べてみましょう。
職場の人間関係から解放されたい人
いまの職場で人間関係で悩んでる人、職場の不毛な人間関係から解放されたい人は、タクシードライバーへの転職はアリです。
理由は、タクシードライバーは職場の人間関係が非常に楽だからです。
タクシードライバーは勤務時間のほとんどは、一人でタクシーで走り回っています。
営業に出る前後の1〜2時間は会社で職場の人と過ごしますが、人間関係は楽です。
実際にわたしが働いているタクシー会社では、人とすれ違ったら挨拶さえきちんとしていれば問題ありません。
わたしはいま班長をやっているため、同僚とコミュニケーションをとるようになりましたが、以前はほとんど気が合う人としか話しませんでした。
タクシードライバーは、基本的には個人プレーの仕事なので、自分の仕事さえキッチリやっていれば、人間関係はかなり楽です。
他職場の不毛な人間関係で悩み、擦り減らすくらいなら、タクシードライバーに転職したほうがいいと、私的には思ってます。
仕事のプレッシャーに押し潰されそうになってる人
現在の仕事でプレッシャーに押し潰されそうになっている人は、タクシードライバーへの転職はアリです。
自分の成長に繋がるプレッシャーならいまの職場に留まるのもアリだと思いますが、ただ単にプレッシャーを感じる場合は、メンタルを壊す恐れがあります。
タクシードライバーは、自分のペースで働けるうえ、他の職業と比べて仕事上のプレッシャーが少ないです。
給料が歩合制なので、売上げをあげないと給料が下がってしまうプレッシャーはありますが、「どうして売上が少ないのか?」と上司から圧をかけられることはほとんどないかと。
タクシー会社にもよりますが、そのような売上げに対するプレッシャーをかけてくる上司がいるタクシー会社なら、他へ移ったほうがいいとわたしは考えています。
安全運転やおもてなしに関しては、タクシードライバーへの指導に力を入れているタクシー会社が最近は増えていますが、やるべきことさえやっていれば、必要以上にプレッシャーを与えられることはほとんどないでしょう。
いま仕事でプレッシャーに押し潰されそうになっている人は、タクシードライバーへの転職はアリですね。
未経験からタクシードライバーへの転職をお考えの方には、こちらの記事が参考になります。
現役ドライバーのわたしが、失敗しないための転職方法を解説
>>【成功体験】未経験からタクシードライバーに転職する方法⇒僕はこうやってなった
これからタクシー業界へ転職する人が押さえておくべきポイント

コロナ以降タクシー業界は変わってきているため、何も考えずに転職すると失敗する可能性があります。
これからの時代にタクシー業界へ転職する人が押さえおくべきポイントは3つあります。
- 転職後の収入がどうなるか考えておく
- 強みがあるタクシー会社を選ぶ
- 未経験者は大手タクシー会社を選ぶべき
転職で失敗しないために必要な3つのポイントについて、これから解説していきます。
転職後の収入がどうなるか考えておく
これからタクシー業界へ転職を考えている方は、タクシードライバーになった後の収入がどうなるか考えておきましょう。
タクシードライバーに転職してから収入が減ってしまうと、生活できなくなるかもしれないからです。
転職後の収入の目安としては、タクシー会社の求人やホームページで確認できます。
タクシードライバーの給料は、歩合制が基本なので、ドライバーによって変わりますが、タクシー会社が平均年収を公開しているなら参考にしても良いです。
必ずしも平均年収と同じ額を稼げるとは限りませんが、おおよその目安になるはずです。
わたしの感覚ですが、真面目に営業していれば平均年収よりも稼ぐことは難しくありません。
応募を考えているタクシー会社があるなら、平均年収や給料を調べ、いまの給料と比較してどうか考えておきましょう。
強みがあるタクシー会社を選ぶ
タクシードライバーに転職する際、強みがあるタクシー会社を選ぶと給料が安定し易いです。
タクシー会社によって、介護送迎に強みを持っている会社や、マスコミ関係とのパイプがあることに強みを持っている会社など、様ざまです。
コロナ以降タクシー利用者が減っているため、一般のタクシー利用者以外にも、マスコミや病院、地方自治体などとパイプがあるタクシー会社のほうが、ドライバーとしては活躍の場が増えて給料が安定しやすいかと。
実際にわたしは、コロナで給料が35万円から23万円に下がった月がありましたが、タクシー業務以外の送迎業務に携わり、給料が回復した月があります。
必ずしも、希望する業務に携われる訳ではありませんが、長い目でみると様ざまな分野を開拓しているタクシー会社で働くほうが、給料が安定しやすいです。
未経験者は大手タクシー会社を選ぶべき
未経験者からタクシードライバーへ転職するなら、大手タクシー会社を選んだほうが安心です。
理由は2つあります。
- 新人教育に力を入れている
- 稼げる基盤がある
新人教育に力を入れている
大手タクシー会社は新人教育に力を入れていることが多いです。
未経験からタクシードライバーになるとき、地理や安全、メーター操作など覚えることが沢山あります。
タクシードライバーで事故や苦情が多いのは、入社して1年以内の新人。事故や苦情がトラウマになりそのまま辞めていく方もいます。
そうならない為には、新人教育に力を入れている大手タクシー会社でタクシードライバーとしての基礎を身につけることが大切。
未経験者は大手タクシー会社で経験を積み、その後中小タクシー会社へ転職するという流れも実はタクシー業界では一般的。大手タクシー会社が気に入った人は、そのままずっと大手で働き続けるドライバーもいますが。
入社したあとタクシードライバーとしての基礎を身につけ仕事を軌道に乗せるためには、新人教育に力を入れている大手タクシー会社が安心です。
稼げる基盤がある
大手タクシー会社のほうが、稼ぐための基盤が整っています。
大手タクシー会社は、人材や資金という面で中小タクシー会社に比べ優位性があるため、顧客の開拓や設備投資ができるからです。
具体的に稼ぐ基盤がどういうものかというと、次のとおり。
- タクシー専用乗り場
- 法人タクシーチケット契約
- 自社の配車アプリ
- 知名度
大手タクシー会社ほど、上記のようにドライバーが稼げる基盤が整っている傾向があります。
このような稼ぐための基盤が整ったタクシー会社では、営業ノウハウがない新人ドライバーでもコンスタントに乗車があり、研修で教わった基本的なことを行ってさえいればある程度稼ぐことができるようになっています。
まとめ

「タクシー業界は終わり?」という質問に対して、直ぐに終わるわけではないというのが本記事の回答です。
現在タクシー業界は下記3つの課題に直面しており、これらの課題を乗り越えられなければやがて終わりがくる可能性はあります。
- 新型コロナの影響により利用客が減る
- ドライバーの高齢化と人材不足
- 将来、自動運転技術でタクシードライバーが必要なくなる
とはいえ、いま直ぐタクシー業界が終わるわけではないので、何十年も同じ職業を続けたい人以外はこれからタクシードライバーに転職することはアリだと考えています。
最近は、転職への考え方は変わってきており、2・3年が転職するタイミング。5年以上同じ仕事を続けていれば長いといわれるくらいです。
このような考え方からすると、タクシードライバーは転職の選択肢としてアリですね。
新型コロナの影響で、タクシードライバーの平均年収は下がっており、コロナが去ったとしてもコロナ前の平均年収に戻ることは考えにくいです。
したがって、新型コロナを期にタクシードライバーで稼ぐ難易度が上がったと言えるでしょう。
とはいえ、タクシードライバーがまったく稼げなくなったわけではないので、次のタイプの人にはタクシードライバーへの転職はアリかと。
- タクシードライバーに転職して、収入が上がる可能性がある人
- 職場の人間関係から解放されたい人
- 仕事のプレッシャーに押し潰されそうになっている人
タクシードライバーを5年間続けているわたしからすると、タクシードライバーは自由に動けて、職場の不毛な人間関係で悩まされることもなく、とても魅力的な職業です。
新型コロナを経験したいまでも、タクシードライバーになって良かったと心から思っています。
この記事を読んでいただいて、タクシードライバーになってみたいと思われた方には、こちらの記事が参考になります。
現役ドライバーのわたしが、失敗しないための転職方法を解説