
「タクシーに転職して失敗したらどうしよう」
「タクシーに転職して失敗した人の実例が知りたい」
この記事を読むと分かること
タクシーに転職して失敗するのはどういう人なのかが分かる。
この記事の信頼性

この記事を書いているわたしは、タクシー運転手になって5年目の現役ドライバーです。
現在わたしは新人ドライバーの教育にも携わっています。これまでに沢山の新人ドライバーを見てきていますが、残念ながらタクシーの仕事が合わなくて辞めてしまった人もたくさんみてきました。
この記事では、タクシーへの転職をお考えの方に向けて、タクシーに転職して失敗しないように、タクシーに転職して失敗している人の実例と、そうならないための解決策を解説しています。
タクシーが思ったほど稼げなかった

タクシーの全国の平均年収は、332万円(2017年)です。
タクシー会社の求人の中には、平均450万円というものも目にします。
このようなタクシー会社の求人を見て、「以外とタクシー稼げるじゃないか」と思うかたは多いのではないでしょうか。
わたしもタクシーに転職するまえはアパレル販売員をやっていて、このような求人を見たときにタクシーの平均年収の高さにひかれました。
しかし、タクシーに転職したけど思っていたほど稼げずに辞めていく人もいます。
思っていたように稼げないという人の、そのようになる原因を挙げると次のとおりです。
- 歩合制であることを知らないで入社した。
- 勤務形態ごとの平均年収を確認せずに入社している。
- 休憩や待機している時間が長く、流している時間が短い。
- 営業するエリアが偏っている。
解説策
解決策としてあげられることは、大きく2つあります。
ひとつめは、タクシー会社に入社する前に、タクシー運転手の仕事内容について情報収集することです。
タクシー運転手の仕事内容については、こちらの記事で詳しく解説しています。
タクシー会社の面接や説明会などに参加して、採用担当者にタクシーの仕事で分からない部分を質問してもよいでしょう。
ふたつめには、営業方法についてですが、基本として新人のころは、とにかく走ることと、営業エリアの好き嫌いをつくらないことが必要です。
待機にかんしては、新人のころはまだ地理が分からないためしないです。
流しのタクシーと違い、待機しているタクシーに乗られるお客さまは並んでいる先頭のタクシーに乗るしかなく、タクシーを選ぶことができないため、待機しているタクシーは地理が分かっている必要があるのですね。
入社したばかりの頃は、営業にかんしての情報収集が必要です。同じ会社の仲間に聞いても良いと思いますし、さいきんはタクシーの転職サイトでも、転職後も稼げるようになるまでアフターフォローしてくれるサイトもあります。
参考までにリンクを貼っておきますね。

自分の体に合わない勤務形態を選んでしまっている

自分の体に合わない勤務形態を選んでしまうと、体に負担がかかり事故の原因にもなるためタクシーを長く続けることが難しくなります。そうならない為に、どのような勤務形態があるかを知ることが必要ですね。
タクシーの勤務形態はおもに次のとおりです。
- 昼勤→朝から夕方までの12時間くらいの勤務
- 夜勤→夕方から朝までの12時間くらいの勤務
- 昼夜勤→昼勤と夜勤が週ごとに入れ替わる勤務
- 隔日勤務→一回の勤務が20時間くらいの長時間の勤務形態
タクシーは一般的に夜働いたほうが稼ぐことができます。夜のほうが稼げる理由としては、22時以降の2割増しの料金になることや、終電を乗り過ごした長距離利用客がみこめることなどがあります。
だからと言って、昼間に眠ることができない人が夜勤を選択してしまうと、夜勤中に眠くなって事故を起こすリスクが高くなります。事故を起こさなかったとしても、勤務時間中の仮眠時間が多くなることで営業時間が削られて稼ぎづくなることが多いです。
自分の体質や体力に合った勤務形態を選択することは、タクシーの仕事を続けていくうえで、とても大切なことなのですね。
解決策
解決策としては、まずは自分が目標とする年収から、どの勤務形態が適しているかをリストアップします。そしてそのリストアップした勤務形態の中から自分の体質や体力にあった勤務体系を選ぶことが必要。
夜勤をお考えのかたは、これまでに夜勤で働いた経験がなる方でしたらそのときのことを思い出してみるといいかと。
もしもこれまでに夜勤で働いたことが一度もないかたは、試しに深夜のアルバイトをしてみるとか、自宅で夜通し起きていて体が耐えられるかを試してみても良いかもしれません。
介護に関係する仕事がやりたくてタクシー会社に入ったが、思ったほど介護の仕事がない

さいきんは私の会社では、もともと介護の資格を持っていたり、いぜん介護関係の仕事についていた人が、これまでの経験を活かしながら介護関係のタクシーをやりたいと転職してくる人が多くなっています。
介護関係の送迎については、タクシー会社によってやっているところ、やっていないところがあります。介護関係の送迎を請け負っているタクシー会社のなかでもどれだけの量の介護送迎を請け負っているかは差があります。
介護関係の送迎をやりたくてタクシー会社に入ったけど、思ったほどの頻度で介護関係の送迎の仕事がやらせてもらえないというケースも。
解決策
解決策は、面接や会社説明会に参加したときに、採用担当者に、介護関係の仕事がどれくらいあるかを確認することです。
通常は営業所ごとに、業務管理がされていることが多いため、できればあなたが配属される予定の営業所の運行管理者に聞けるといいですね。
自分に介護関係の仕事をやらせてもらえるかや、その仕事が週に何回くらいの頻度であるかまでを確認することができれば、より確実でしょう。
上司とソリが合わない

上司とソリが合わなくて、辞めていかれたかたも、わたしはこれまでに見てきています。
タクシー運転手は、乗務中はほとんどひとりですが、乗務後に営業所で納金するために、通常は上司である運行管理者に売上げの登録をやってもらいます。
また、タクシー運転手が事故をしたり、苦情などのトラブルがあったときには、上司が指示を出すことが多いですね。
タクシーは他の職業と比べると、上司と一緒にいる時間は短いですが、このように上司との接点があるため、上司へ報告することや指示をあおぐことが必要になります。
タクシー運転手と、上司のソリが合わないと、納金をするときの伝票の不備があったときに、他の人よりも強く言われている光景もわたしはこれまでに見てきました。
一つひとつは些細なことでも、それが積み重なりどこかで爆発してそれが退職に繋がったケースがありました。
解決策
解決策としては、面接で営業所に行った際に運行管理者に挨拶をさせてもらうことをオススメします。
挨拶したときの第一印象は、けっこう当たっていることが多いですね。
また、きちんと挨拶をすることで、営業所の人達からみたあなたの印象も上がるはずです。
面接や会社説明会は、営業の人や営業所の雰囲気を知る絶好機会かと。
職場の雰囲気の良さも、タクシー会社を選ぶさいの基準にしても良いでしょう。
事故を繰り返す

事故を繰り返して辞めていった人を、わたしはこれまでに何人もみてきました。
タクシー運転手が事故を起こすと、会社は大きな損害を受けることになり、事故を起こしたタクシー運転手の評価も下がってしまいます。
また、事故を起こしてタクシー運転手がケガをしてしまうと、治療の期間働けずに収入がなくなってしまうのですね。
タクシー運転手にとって事故は死活問題になってくるため、事故を繰り返した末に辞めていく人が出てきます。
改善策
改善策を考えるうえで、どのような人が事故を繰り返しやすいかを考えることは有益です。
わたしがこれまでに見てきた、事故を繰り返し安いタイプは次のとおりです。
- 運転技術に過剰な自信を持っている
- 事故に対する意識が薄い
- 勤務形態が体に合っていない
ではこれから、事故を起こしやすいタイプ別に対策を説明していきますね。
運転技術に過剰な自信を持っている
タクシー運転手で事故が多いのは、入社して1年間です。この1年間で事故を起こしてしまったら、起きたことは仕方ないことなので、それ以降事故を起こさないようにしなければなりません。
事故を起こしてしまった=自分の運転技術が未熟であることを自覚する
といった、認識が必要です。
この認識ができるかできないかで、事故を起こす頻度は変わってきます。この認識がない人は、何度も同じような事故を繰り返していますね。
事故に対する意識が低い
事故に対する意識が低いという人は、特に入社したての新人に多いですね。私自身も、タクシーになったばかりの頃は、いまに比べて事故に対する意識が低かったと思います。
では、事故に対する意識を高めるには、どうしたらよいでしょうか?
そのためには、事故を起こしたときに生じる様々なリスクを理解することが必要です。
事故から生じるリスクは次のとおりです。
- 事故当事者の生命が失われる可能性がある。
- ケガなどにより自分自身が働けなくなるかもしれない。
- 車の修理費など会社への損害。
- 車を修理する期間は、会社のタクシーの稼働台数が減り、同僚に迷惑をかける。
このように、タクシーで事故を起こすことは、自家用車での事故に比べてリスクが大きいことを理解することが必要ですね。
※関連記事
>>タクシー運転手はやめとけ!ドライバー歴5年の僕がやめるべき理由を教える
勤務形態が体に合っていない
勤務形態が体に合っていないことは、勤務中に眠くなって、居眠り運転による重大事故をひきおこすリスクに繋がります。
居眠り運転による事故は、特に夜勤者に多い事故です。居眠り運転は、ブレーキを踏むことなく衝突するため、重大事故につながる危険性が高いため、特に気をつけなければなりません。
昼間にあまり眠ることができない体質の人が夜勤を選んでしまうと、夜勤中に眠くなって、最悪の場合、居眠り運転での事故につながります。
どうしても夜勤が体に合わない人は、営業所の運行管理者に相談して、お昼の勤務に変更することができるでしょう。
研修センターの厳しさに耐えきれない

2種免許を取得した後、ひとりで乗務するようになるまでの間に研修期間が設けられています。
タクシー会社によっては、研修センターといった新人を集めて研修を行う機関がある場合があります。
会社によって差はあるとは思いますが、タクシーがお客さまの命をお預かりして送迎をする仕事であることを考えると、タクシーの研修センターは厳しく教育を行う場所である必要性があると考えることができるでしょう。
私が所属するタクシー会社は、研修センターでの教育が2週間みっちりと行われていますが、この期間で根をあげて辞めてしまう人もいました。
解決策
解説策としては、わたしはこの研修期間を楽しむことだと思います。
わたしの時も研修センターでの教育は厳しい面もありましたが、給料をもらいながら、タクシーの仕事に必要なことを一から学ぶことができるこの期間をとてもありがたく有意義なものに感じていました。
また、同じ時期に研修センターに通っていた人は同期の仲間になるので、ひとりでの乗務が始まっても、そのような意識で互いに情報交換などして交流も続きましたね。
なので、研修センターは楽しみながら、タクシーの仕事を勉強するという意識があれば、大抵は乗り切ることができるでしょう。
研修センターに通う期間は長くても数週間、それが終わればあとはひとりで自由に乗務に出ることができますよ。
まとめ
タクシーの転職に失敗しないためには、まず自分にあったタクシー会社と勤務形態をえらぶことが大切です。
その他にも、タクシーの転職に失敗しないためにも、会社の面接や説明会に参加したさいには、採用担当者に自分が重視している勤務条件を確認するようにしましょう。
介護の資格をすでにお持ちで、介護関係の送迎をしたくてタクシーへ転職するかたが最近多いですが、面接などで採用担当者にあったときに、自分がタクシーに転職したら、週にどれくらいの頻度で介護送迎の仕事をやらせてもらえるかを確認したほうがよいです。
またタクシー会社の面接や説明会に参加したら、その会社の雰囲気を知る絶好の機会なので、まずは軽い気持ちで面接や説明会に参加してみることをおすすめします。
タクシーに転職する方法については、こちらの記事で具体的にくわしく説明しています。よろしければぜひ参考にしてみてください。